安川電機の業績下方修正、今期経常▲46%、2016年度水準
10月10日大引け後(16:00)に2Qの安川電機の決算発表および業績下方修正が出ました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-10/PZ31CRDWX2PS01
https://jp.reuters.com/article/idJPL3N26V209
一株益は四季報予想から44%減
事前の四季報の2020年2月期1株利益予想 129.9円 → 72.46円に会社予想修正
2016年度(2017年3月期)実績(76.6円)と同水準まで落ちる形です。
ROEは予想14.8%でしたが8%台まで落ちると思われます(株価が現行水準の場合)
年間配当予想は現状変更なしなので、2002年2月で半期分26円が見込まれます。
想定為替レートは1ドル=110円から105円に修正
半導体関連の需要減少を単なる先送りとみるかどうか
今後、議論の的になるのは下記コメントでしょう。
下期の回復を見込んでいた半導体関連が、米中摩擦の長期化で
「どんどん先送りされ、2020年にずれ込むという想定」に至ったと説明。
中国関連はこれ以上の悪化はなく、
回復を見込んでいると話した。(ブルームバーグ記事より)
これをポジティブに解釈すると、
・2020年に回復するのだから、2016年度水準まで株価を下げるほどの水準訂正はない
という判断もできます。
しかし、慎重な向きは、
2020年度に、2019年前半の期待値まで戻りきれるのかどうか、
当面、疑心暗鬼になるでしょう。
目先の需給は売りがたまりすぎ
目先の需給は買い有利。
信用倍率0.67、逆日歩さえついています。
なので水準訂正は緩やかなものかもしれません。
2020年の配当はどうなる?
別なとらえ方として、
今回、一応、配当予想に「変更はない」とされていますが、
2016年度当時は年間配当20円、17年度に40円、18年度に52円
という推移から、減配の可能性をどうみるか。
一株利益72.46円という見通しに基づくと、
2020年度に40円程度(▲23%)まで減配されても
全然おかしくないという推測ができます。
すなわち、インカムゲイン重視の局面とすれば、
2割程度の水準訂正が目安として成り立ちます。
想定為替レート105円の見方が広がるかどうかにも注意
もうひとつ、注意点は、
想定為替レートを105円に修正してきたこと。
事前の想定が110円というのはどうみても甘すぎだったので、
マーケットはある程度はこれは予想していたことでしょうが。
しかし多くの企業はまだ想定が甘めで、直近の日銀短観の想定為替レートは108.68円です。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL01H8X_R01C19A0000000/
105円という見方が、マーケットで意識されてくると、
「日本株マーケットは上値は重い」という見方が、強まると思われます。
米中の融和やトランプの関税延期などに期待する筋は今後も一定はあるのだろうとは思いますが。
なお、発表後の夜、ADRではー3.5%程度です。
この夜、米中貿易協議に期待感が高まり全体に上昇している状況でのもの。
協議への期待が剥落したときは、もう一層、売り込まれると思われます。