関西電力の不祥事の海外報道
以前に、関西電力は、レンジ的な動きをするので値幅取りしやすい銘柄として
取り上げていましたが、思わぬ不祥事で下落トレンド入りしています。
当然ながらこうなると、手出し無用かと。
ちなみに、海外ではどう見られているのか気になったのですが、
「kansai electric power news 2019」で検索したところ、出てくるのは
Japan timesほか日本メディアの英字版が中心。
まだCNNやBBCなどは取り上げていません。
こういうときでも、気を付けて注意深くみた方がいいのはロイターの海外報道で、
日本発日本人記者署名のロイター記事でも、海外向けには、少し違うニュアンスを付け加えて報道していることがあります。
今回でいうとここの部分
https://jp.reuters.com/article/us-kansai-electric-scandal-idUSKBN1WH0FM
The payments raise governance concerns because they were disclosed only after the matter was raised by the local tax bureau, said Moody's analyst Yukiko Asanuma.
"The cash payments ... add to existing negative public sentiment around nuclear power generation," Asanuma said.
(日本語訳、ややテキトーです)
ムーディーズのアナリスト、浅沼有紀子によると、この授受は地方税務局によって問題提起された後に開示されたため、ガバナンスの懸念を引き起こします。
「現金授受は、既にある原子力発電に関する否定的な世論を強めます」と浅沼は述べた。
ここでわざわざムーディーズのアナリストの否定的なコメントを引用、
税務当局から指摘され社内調査まで行った金品授受が未公表だった経緯が問題だとムーディーズに語らせることで、
今後、社債の格付けや発行条件などに、悪影響が及ぶかもしれない、という可能性を想起させる書き方ですね。
私の見る限り、このムーディーズのコメントを載せているのが日本の記事にはない部分です。
ちなみに最後の方で、原子力発電に関する否定的な世論が福島原発事故以来強まっていること、
関西電力は3つの原発を管理していること、
筆頭株主の大阪市が経営改革を検討しているとの報道もあることなど触れてあるのは、
国内報道と同様なのですが、この1本の記事からでも、海外の投資家は、
これから経営陣が刷新されて、何か経営改革が行われるんだろうな、と普通に考えるはずです。
実際にはご存じのように、ここまで外堀を埋められても、辞任はしない、と関西電力経営陣は意思表示し続けているわけで、
今後の第三者委員会がどこまで独立性を維持して調査するか、
ESG投資家などがどのようにマーケットで反応していくのか、ある意味で勉強になりそうな展開になってきたなと思う今日この頃。
参考までに下記はヤフーファイナンスの、1か月、3か月、6か月の同業種との株価推移比較