部門別売買、22000より上を買う主体がいない【10/6】
〜927の部門別売買動向で、
一応強気材料は、信託銀行の買い、と書きましたが、実はそれほど強気材料とみていません。
信託銀行の通年の買い入れは、およそで2017年▲3000億(売り越し)、2018年1.7兆。
いま通年で+3000億ほどなので、ここから昨年並みに買い進んだらかなりの数字ですが、
残念ながら10-12月の信託銀行は例年消極的なのです。
16-18年、3年連続で売り越しです。
15年10-12月は+5000億、
14年10-12月の数字は大きいのですが異次元緩和の勢いがあったときなので参考外でしょう。
集計発表のタイムラグゆえに、目先の需給を見るのにはあまり役立たない部門別動向ですが、
9か月過ぎたところで主体別の動きを眺めてみると、今年の相場がどういう性質の相場なのか、
わかる気もしてくるものです。
日経22000より上の水準を買いたい向きが乏しいことは、
残念ながらこの9-10月の推移ではっきりしてしまったのではないでしょうか。
この週の売買動向、「ああ今年は22000以上で終わるのはちょっと無理かな」と
いう数字です。経済動向、企業業績でよほどポジティブサプライズがないと厳しそう。
強気派が、企業業績が底打ちする可能性に期待していることも
もちろん知っていますが、モメンタムレベルの漠然とした期待で
どこからどう景気が回復するのか、それほど根拠がありません。
中国はトランプを落選させたくてしょうがないわけですし、
景気いいならもっといろいろ買ってくれ、などとトランプから
言われたくもないでしょうから、
ここから世界景気を先頭きって押し上げたいとは考えていないでしょう。
海外の期待ほど強力な景気対策をしていない理由がいろいろ言われていますが、
ある意味、そこも含めての対米戦略だと僕は捉えています。
通商交渉で譲歩もしないと思います。
となると、だれがこの流れを変えるのか。
海外の回復頼みの日本経済ではもちろん無理です。憲法改正したいの一念で、
消費増税やっぱりやめます、だから衆院解散・総選挙しましょう、くらいのことになれば別ですが(笑)。
ドイツイギリスも厳しい。
トランプが、下院の民主党をおしきってミラクルな追加減税をやるか、
中国に全面降伏でもう知的財産問題も不均衡もファーウェイ問題も忘れて関税やめにする、と
言い出すくらいなウルトラサプライズが必要だと思います。
でも、トランプはその一言がたぶん言えない。
もともと製造業を復活させる、雇用を増やす、というのがトランプの公約なので、
ここで技術移転問題や知的財産問題で譲歩するのは、むしろ自滅に近いものがあります。
そもそも、トランプとしては中国が世界の生産基地になっているのが気に入らないわけで、
利下げをどんどんパウエルにやらせてドル安にして、アメリカ国内に生産拠点が増える姿を
思い描いているフシもあります。
となるとトランプはこのままパウエルに利下げ圧力をかけ続け、
なんとか下院を経由せずに減税を実施できないか可能性を探りつつ、
大した成果もなく来年敗北するかもしれないと僕は思っているのですが。
足元の相場は、トランプが相当うまく口先介入するか、
中国が日本の工作機械や生産設備などを想定外に買い始めたりしない限り
だらだらとあと3%前後下げる可能性はあるとみています。
ただしせいぜい3%かなと。昨年10月は日経平均で3000円もの暴落がありましたが、あれと状況は違います。
下落メド3%というのはほぼ勘ですが、昨年10月のような暴落が起こらないだろうと判断できる理由も
この部門別売買動向にあるので、興味がある人は考えてみてください。