10月買い4月売りのアノマリーについて考察【9/28】
「10月買い4月売りのアノマリー」について過去5年の傾向をふと考えてみました。
※表内の指数値はTOPIX指数値。配当落ちは考慮せず
9月末 | 翌年4月末 | 勝敗 | TOPIX増減率(配当落ち考慮せず) | |
---|---|---|---|---|
2014 | 1326 | 1592 | 〇 | 20.1% |
2015 | 1411 | 1340 | x | -5.0% |
2016 | 1322 | 1531 | 〇 | 15.8% |
2017 | 1674 | 1777 | 〇 | 6.2% |
2018 | 1817 | 1618 | x | -11.0% |
5年平均 | 5.2% |
10月末 | 翌年4月末 | 勝敗 | TOPIX増減率(配当落ち考慮せず) | |
---|---|---|---|---|
2014 | 1333 | 1592 | 〇 | 19.4% |
2015 | 1558 | 1340 | x | -14.0% |
2016 | 1393 | 1531 | 〇 | 9.9% |
2017 | 1765 | 1777 | 〇 | 0.7% |
2018 | 1646 | 1618 | x | -1.7% |
5年平均 | 2.9% |
このアノマリーは「10月末買い、4月末売り」といわれたりしますが、
だいたいこの手の法則は、徐々に先回りする人が増えて、動き出しが早くなるものです。
少なくとも「10月末買い」という認識はすでに古いというべきで、
明らかに「9月末」に買う方がパフォーマンスは上だということを上の表は示しています。
なので、とりあえず、「本当にこのアノマリーを信じるなら、9月末買いするべき」ということになるのですが、
そもそもの話、
上の表を冷静に見比べて何か気づきませんか?
今のところ、テレビやラジオに出てくる株式評論家で以下と同じことを言っている人を僕は知りませんが、
(いるかもしれませんが)ヘッジファンドはデータ分析オタクの巣窟ですから、
こっそり気づいてやっているところはたぶんあるでしょう。
データを観察するのが得意な人ならこう思うはずです。
「これ、9月末買いで10月末売りの方が、資金効率よくない?」
表に整理するとこうなります。
9月末 | 10月末 | 勝敗 | TOPIX増減率 | |
---|---|---|---|---|
2014 | 1326 | 1333 | 〇 | 0.5% |
2015 | 1411 | 1558 | 〇 | 10.4% |
2016 | 1322 | 1393 | 〇 | 5.4% |
2017 | 1674 | 1765 | 〇 | 5.4% |
2018 | 1817 | 1646 | x | -9.4% |
5年平均 | 2.5% |
9月末から4月末まで7か月もホールドして、5.2%+配当(0.5〜1.5%程度)より、
1か月で2.5%とれるほうが、はるかに効率的です。
なので、正直なところ、この表を作成した時点で、「9月末買い4月売り」アノマリーについてこれ以上考える意欲は失せました(笑)
ただ、2019年にこのトレードをやるのか、というと、注意したほうがよさそうな点はあります
・需給面・・・9月の上昇が、2018年9月同様に、急峻なものだったことで、10月は2018年同様に下落月になる可能性も。
・ファンダメンタル・・・先進国がこぞって金利を下げるフェーズに入っており、長短金利逆転も起きているなど、例年とかなり異なる
(しかも日本は、金融政策も財政出動も具体的な次の景気刺激策が見えていない)
・政治面・・・2019年の株価を主に動かしているのは、米中貿易問題の不透明性。トランプと習主席の機嫌次第で、どうなってもおかしくない。
「もうその話はうんざり」という人は多いと思いますが、
しかしいくらうんざりしていても、
「米中関係の進展をどう考えるか」というテーマから、
逃げるわけにはいかないのが、今年のスイングトレードの現実です。
といっても・・・・米中関係が今後どうなるかわかりますか?
僕は正直いってわかりません。しいて言うなら、このまま
さしたる進展がないまま、トランプが大統領選挙に臨む先行きを想定しています。
ほとんどのファンドもわからないでしょう。
だから、このアノマリーだけで1か月ホールドというのは、ちょっとやる気がおきません。
(空売りや先物ショートを推奨するのではなく、このアノマリーだけでは、買う理由にできないという意味です)
もし9月にさしたる上昇がなければ、「9月末買い10月末売り」、
ここで推してみたかもと思うのですが。