5日に仕掛けたクレディスイスの筋に脱帽(9月14日)
先日、「9月5日の上昇を仕掛けたのは国内筋だろう」と決めつけて書いてしまいましたが、
ちょっとあてずっぽうが過ぎました。
7-8月の弱気相場から「8月下旬〜9月に一息つける展開」を想定していた
私にとっても、これは予想外に強い上昇です。
この上昇にあまり乗れてないのは正直いって相当に反省材料ですし、
いろいろ勉強になりました。
5日の買い仕掛けの主役は国内筋ではなかった
まず、5日夕方の取引所データで実際の売買結果をみると、
お買い上げ筆頭は
国内筋ではなく
クレディスイスでした。
〔需給情報〕日経225期近でABNクリアが売り越しトップ=5日先物手口
先物の売買データで見る限りですが、
5日の仕掛けは、2番手野村もそこそこの規模ではあるものの、
クレディスイスが主役だったと断言してよいと思います。
おそらくクレディスイスの実態はどこかの海外ヘッジファンドなのでしょうけれども、
これはもう称賛するほかありません。
上昇に火をつけたわけですから。
クレディスイスは金曜日もまだ先物を買っている
そしてさらに言及しなければならないのは、
クレディスイスは、その後も、買い越し傾向が続いているということです。
〔需給情報〕日経225期近で野村が売り越しトップ=13日先物手口
これをしかけたクレディスイスがまだ買っているということは、
ひょっとすると22500までいってもおかしくないのかなという感覚はあります。
まだ上昇へ薪はくべられている
さらに私が、驚かされたのは、こういうツイートを見てからですね。
・・・・・悲惨ですね、売り方は。
こういうこともあろうかと、前回の解説で、
「ここから先物を売るのは私はやりません。」
とはっきり書いておいたんですが・・・。
クレディスイスの筋に見えているものがこれだけではないのでしょうが。
この事実だけでも、踏み上げ次第で22500くらいありえるかなという納得感はあります。
まあショートしたくなる向きの気持ちもわかるんですけれども。
「消費増税の直前だし、景気指標は弱いし、
この上昇はおかしいだろう」と言いたいところでしょう。
こういうときだからこそ、踏み上げ相場はおこりやすい。
たぶん、海外でも、踏み上げ的な上昇は同時多発的に
起きているんじゃないかなと想像してしまいますね。
上昇株の偏りも懐疑的な見方を後押しか
もうひとつ、ショートを入れたくなる人が多くなる背景があるとすれば、
これまでの上昇局面と、上がる株がちょっと違うということが
ありそうです。
これは報道でもよく話題になっていますが、
日本でいえば、銀行株などの高配当株。
バリュー相場到来、「マグニチュード大も」−日本株出遅れ修正へ
そして、あまり勢いがないのは、
IT株や中小株です。
なので、IT株や新興株の好きな人は、この上昇に、
不信感を抱いているのではないでしょうか。
ちなみにどんなファクターの株がこの一週間で買われたかについての調査には、
株マップ.comのこのページが便利です。
株マップ.comトップ > 市場分析 > ファクター別指数ランキング
13日引け時点では、上位は
低PBR
低PER
低自己資本比率
高配当利回り
の順となっており、確かに典型的なバリュー株相場です。
中央銀行の政策会合、あるいは権利確定日に注意
来週9月18日にはFOMCがあり、0.25%の利下げがあるかどうかが注目されています。
さらに19日に日銀会合で、日銀もマイナス金利の深堀をするかもという噂もあります。
今回は、7月より難しいと思います。
予断をもたずに待ち構えようと考えています。
金融緩和にとってのプラス材料として、
7月時点よりも製造業の状況は明らかに悪い
その一方で、これだけ株式市場が強いし、さらに日銀にとっては円安のさなかで
何か緩和をするのだろうか、という懐疑論もあります。
もうひとつの節目の候補は、9月26日の権利確定日です。
この日までにキャピタルゲインをとって売る動きが出てくるのか、
しっかり配当をとる買い手が多数なのか。
昨年の場合は、9月権利確定日を過ぎてもしばらくの間、
高値水準を維持していましたが、昨年の上昇は、今年ほど高配当株が中心では
ありませんでした。なので、権利確定をめぐる動きは、おそらく今年の方が
大きいのではないかと思っています。
減配がどれだけ出るのか出ないのか
これはタイミングがどうこうという話ではありませんが、
バリューというか高配当株がもてはやされる中で、
業績下方修正と減配の発表がどのくらい
出てくるのか、出てこないのか、ということも密かなポイントかなと思います。
というのも、ここ1週間上昇した高配当株をみると、
減配の可能性など気にもとめずに買っている向きもいるのかなという印象があります。
どれかということは、名指しでは書かずにおこうと思いますが、
・業績下降の傾向が明確
・4−6月決算が不振
・四季報掲載の1株当たり利益の見通しが、配当実績を下回っている
なんてものがちらほらあるんですね。
構造的な不況業種は上記の条件で見当がつけられるのですが、
さらにいえば、
「のれん」の減損による下方修正や減配となると予想が難しいです。
そういう意味では、こういう景気下降時の高配当狙いは本当はそんなに気楽なものじゃないはずです。
心当たりのあるホルダーの方はお気をつけください。