9月の相場の株はこれで安泰?ここから買うのは安易?(9月5日の上昇をみて)
さて、今日9月5日の2%以上の上昇、これは9月の相場の今後にとって、良い上昇なのか、
安易にのってはいけない刹那的な上昇なのか、ちょっと考えてみます。
おそらく先物の手口の情報を見るまでもなく、今日大きく買い上げているのは、国内筋でしょう。
GPIFなのか生保なのかまでは、わかりませんが。
なぜそう言い切れるのかというと、海外筋は、おしなべて、ここ1か月、売り越し傾向だからであって、
「香港の条例改正案撤回」というone of themの動きだけで、ここまで買い上げるはずがないからです。
しいて言うならもうひとつ、昨日から英議会では合意なき離脱を阻止するとされる動きが出ていて、
https://www.bbc.com/japanese/49589020
これも多少の安心感にはつながっているとはいえますが。
本当の要因はやっぱり需給では
そうはいっても、いろいろ見ていくと、今日の上昇の最大の要因はやはり需給でしょう。
以前、「7月8月とかなり弱含んでいるので、どこかで
一息つけるタイミングが来るのでは」と書いておいたのはこういうことです。
国内の相場を分析していると、
海外投資家に加えて、個人も弱気なのが状況証拠的に明らかなときには、
国内機関筋から、SQの週または前週に、突然大きく買い越してくるということが、
数か月に1度くらいは、起こるものです。
これも以前触れましたが、「GPIFを動かして米国債を買うことで、
円高を阻止している」という噂も日経が報じているくらいですから、
株に関しても、何かやってきてもおかしくないような状況ではありました。
それでも私は、「これは思い切った勝負に出てきたなぁ」、と思いましたね。
裏でどの政治家レベルまでかかわっているのか知りませんが。
ここからSQまでは堅調に推移したとしても、9月末までこの21000円以上の
水準を維持できるかどうか、これはそんなに確度の高い賭けではないと思います。
私の知見では、このように国内筋が、海外筋の
売りポジションにあからさまに正面から向かってきたときは、
かなりの確率で海外筋はビビって先物売りがしばらくはおとなしくなります。
ただし、それはあくまでSQまでの話で、
今回のSQは量的に海外筋にとって大きな敗戦にはならないと思われます。
SQ明けからのポジションどりにまで、影響するほどの敗戦にはならないでしょう。
このところの閑散相場を反映して、海外筋の先物ショートの建て方は
かなり小規模です。通常月の半分以下・・・もっと小さいといっていいかもしれません。
そういう状況をみていくと、9月末にどんな水準になるかは、月中旬に海外筋が
どんな売買をするか見るまでは、予断を許しません。
来週後半にはFOMCをにらんで再び模様眺め相場の可能性も
そして難しいのが9月17-18日のFOMCで、
このFOMCは今回、SQを通過した翌週にあります。
なので来週後半になると、FOMCをにらんでまた膠着状態のようになるのではないでしょうか。
FOMCについてはことあるごとに私も触れていますが、
いわゆる「市場の催促」という、米国債の利回りの低下ほど
利下げをするという状況にはどうしても見えません。
-0.5%というのはありそうもない話で、-0.25%をもう1度やるかどうかの攻防のはずです。
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-idJPKCN1VP07V
7月とは異なり、今回は欧米で製造業関連の指標は弱含んでいますので、
-0.25%の利下げにも一定の根拠がありますが、FOMCには労働需給の調整という
ミッションがあり、その面でいうと、追加利下げの必要性はまだあまり感じられない
というのが正直なところでしょう。
香港の民主化運動についても引き続き気にしたい
もうひとつ引っかかるのは、香港の騒ぎがこれで問題解決した、安心感が出たというのが、
ちょっと言いすぎの話のような気がするのですね。
根本的に、香港の民主化運動と、中国政府には大きな溝があることには変わりないように見えます。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090401142&g=int
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-05/PXC20U6JTSEJ01?srnd=cojp-v2-overseas
アメリカにとっても、中国が反民主主義的な国であるというのは、
非常に使い勝手のいい非難材料なので、裏で民主化運動をこっそり支援するような
活動をしていたとしても私は驚きませんが・・・ここについてはあくまでただの妄想なのですが。
結論
結論としては21000円から上値を追うような買いをするのは、
私はできないなぁという印象です。
利食いを一度にやってしまうのはもったいないかもしれませんね。
今日がピークかというと、そうとも言い切れない話で、
明日はいったん軟調になったとしても、
国内筋の買いが続けば来週金曜までに再度、
高値をつけにいく可能性はあると思います。
ここから先物を売るのは私はやりません。
このような仕掛けがあった後で、SQにかけて大きく下げたのは、
私の記憶では昨年の2月くらいでレアケースです。