7月利下げありともなしとも読めるがあえて予想するなら・・・・(6/23)
FRBのパウエルの会見後、「予想よりハト派的」といわれているのはさておき、
テレビだかラジオだかで「7月利下げを示唆した」などという解説も耳にしましたが、
パウエルは7月利下げを示唆してはいません。
こういう話題はマスコミの解説を聞くより、まずは、FRBの出している
情報をちゃんと見るべきで、最低限、「ドットチャート」には一度でも
目を通しておくことをおすすめします。
ドットチャートを載せてる報道記事はあまり見かけませんが、
下のような金融系機関のレポートには高確率できちんと掲載されています。
みずほ総研
大和総研
ピクテ投信
りそな
ドットチャートでは19年末の政策金利の見通しについて、
メンバー17人の見通しがプロットされているわけですが、
利上げ1回・・・1人
据え置き・・・8人
利下げ1回・・1人
利下げ2回・・7人
となっています。
マーケットが喜んだのは、「利下げ2回を予想する人が7人もいた」という
部分だったわけですが、
冷静にみると、「年内維持派と、利下げ年内2回派と、強弱論がほぼ半々で
FOMCが二分された」というのが正しい捉え方でしょう。
言い換えると、
・景気は利下げするほど悪くはない vs この先貿易摩擦の悪影響がかなり出てきそう
の意見対立なのだと思われます。
もう一つ、マーケットが反応したのは、会見でパウエルが
「不確実性やリスクについて、7月までにはより評価ができる」と
言った部分だったようです。
これが一部で「7月利下げを示唆した発言だ」と解釈されたようです。
しかし、冷静に解釈すれば、
「不透明な部分が不透明でなくなってくる」という趣旨以上のものではないとも受け取れます。
さて、これを踏まえて、先行きどう見るかですが、
私の頭に浮かんだイメージは下記のようなものです。
これは個人的なただの想像なので、これに従って
ポジションをとるとかじゃありませんが、
こういう印象を受けたんですよということで。
・7月31日のFOMCでは、よほど失業率などが急激に悪化しない限りFRBは利下げをしない。
・しかしともかく材料がほしいマーケットとしては当面は7月利下げが
ありそうだというムードに便乗してはやしたてるのが都合がよい。G20でトランプも習も
完全決裂はするわけにいかず交渉再開をなんとかとりつくろうとも期待できる。
・7月末まで強めに推移し7月FOMCの利下げ見送りで下落。FOMCがない8月はそのまま夏枯れ。
・本命は9月18日のFOMCではないか。この時期になると本当に労働市場に失速感が出ているかもしれない。
もちろんマクロ指標がどうなるかが本来大事な話ですから、
雇用統計などが予想外に悪化すれば、
7月利下げがありうることを完全否定はできませんが、
アメリカの労働需給が1か月そこらでそこまで急に悪くなるとは思えないのですよね。
HTML Comment Box is loading comments...