中間選挙を前にして状況整理:月曜火曜はやはり買いに出る材料なしか
金曜の動きを踏まえて、月曜の状況を整理してみます。
買い方にとってはこう見えているかもしれません
・すでにNY時間で、金曜の騒ぎについての調整は終了した
・トランプが月末に中国主席と会食するので雪解け期待で買いが進む
・そもそも暴落からのリバウンド過程にある
・円安が進んでおり業績期待が上昇
・米景気はまだまだ好調
・トランプが月末に中国主席と会食するので雪解け期待で買いが進む
・そもそも暴落からのリバウンド過程にある
・円安が進んでおり業績期待が上昇
・米景気はまだまだ好調
売り方にとってはこう見えているかもしれません
・金曜日に慌てて買い戻されたぶん、まだ月曜に売り直しの動きが出る
・金曜の騒ぎで値動きにつられて買った向きが、失望売りしてくる
・米長期金利が3.2%を超えると、10月5日ごろのように、警戒の売りが出る。円安は押し戻される
・中間決算において慎重な見通しが相次いでいる
・SQに向けて海外投資家による売りが警戒される
・金曜の騒ぎで値動きにつられて買った向きが、失望売りしてくる
・米長期金利が3.2%を超えると、10月5日ごろのように、警戒の売りが出る。円安は押し戻される
・中間決算において慎重な見通しが相次いでいる
・SQに向けて海外投資家による売りが警戒される
私個人がどう思うかよりも市場参加者の大勢がどう思うかが大事なわけですが、
マイナーSQ週ということで、海外投資家の売りを警戒する、というのが案外
重しになる気がします。
中間選挙についての想定は、
買い方は
・下院も共和党が再び過半数をとれば、トランプが再び追加減税する期待がもてる
・下院も共和党が再び過半数をとれば、トランプが再び追加減税する期待がもてる
売り方は
・下院を民主党が過半数をとればトランプは追加減税ができなくなり、民主党と共鳴して保護主義姿勢を強める
・下院を民主党が過半数をとればトランプは追加減税ができなくなり、民主党と共鳴して保護主義姿勢を強める
(参考記事:オピニオン:ねじれ議会ならトランプ保護主義に拍車=安井明彦氏)
という感じでしょうか。
という感じでしょうか。
なお金曜に話題となった米中の貿易摩擦雪解け期待については、
私は「早期合意はない」と思います。
私は「早期合意はない」と思います。
そう思う大きな理由は2つあります。
1・トランプが2年後の再選を狙ううえで、譲歩してまで合意を急ぐ理由がない
中国は確実に景気悪化しており、ついに元安に自ら歯止めをかけなければ
ならないほどに追い込まれています。
いまの状況を長引かせるほど中国は困りはて、アメリカに有利な合意が見込まれます。
もちろん、長引くにつれて米国の製造業から苦情もどんどん出るでしょうが、
もちろん、長引くにつれて米国の製造業から苦情もどんどん出るでしょうが、
トランプが対中姿勢を和らげるのは、よほど消費者から「厭戦ムード」が出て
支持率に影響した場合だけでしょう。
いまアメリカは空前の好景気なので、そうなりえるのは、かなり先のことだと思います。
いまアメリカは空前の好景気なので、そうなりえるのは、かなり先のことだと思います。
2・アメリカと中国の溝は、根本的にかなり深い。カナダやメキシコとの二国間交渉ほど単純ではない。
アメリカ共和党は、中国とかつてのように貿易を活発に行って、中国が経済成長していくのを
容認する気がなく、本音では、中国に衰退してほしいと考えているように見えます。
容認する気がなく、本音では、中国に衰退してほしいと考えているように見えます。
一方、中国もまた、いずれアメリカから覇権を奪う野望をまったく捨てていないでしょう。
それを考えるうえで、
ペンス副大統領が最近、保守系シンクタンクで行った演説は重要です。
ペンス副大統領が最近、保守系シンクタンクで行った演説は重要です。
「なぜアメリカは景気後退のリスクまで負って中国とやりあうのか」という疑問に対して
アメリカは中国にこれほどの懸念を抱いているのだと立場を説明した内容になっています。
一言で要約すると「いまの中国はアメリカの良き友人たりえる国ではない」。
いや、これはオブラートに包みすぎかもしれません。
「いまの中国国家は世界の民主主義に対する害悪である」というトーンに近いと思います。
知的財産の問題だけでなく、人権問題とか、ネット情報検閲とか、
一帯一路でスリランカがひどいめにあったとか。
一帯一路でスリランカがひどいめにあったとか。
これは(日本の政治家によくある)思いつくまま言いたい放題喋ったら、
うっかりマスコミに報道されちゃったというレベルの内容ではない。
ペンス副大統領は、北朝鮮と交渉して「愚か者」と罵られるなどしただけに、中国がどう北朝鮮を支援してアメリカを困らせようとしてきたかについても
言いたいことがあったはずが、そういうキナ臭すぎる話題は今回は含まれなかったようです。
ペンス副大統領がこのような演説を行った背景については
金曜日のラジオ日経で伊藤洋一氏が解説していてたしかにそうだなと思ったのですが、
(番組のオンデマンド)
(番組のオンデマンド)
トランプが交渉の「顔」としてフレンドリーな姿勢を中国に見せていく一方で、
ペンスは、トランプ以上に共和党の保守本流を担っている立場から、
中国の野望は容認しない、という意志を発信したと考えられます。トランプだけみていると、相手を持ち上げたり、交渉は好調だと言ってみたりしますが、
北朝鮮と対峙するときの社交辞令と同じで、机の下では足を蹴りあう気満々でしょう。
北朝鮮と対峙するときの社交辞令と同じで、机の下では足を蹴りあう気満々でしょう。
そもそもの問題としてここにきて突然米中が合意に歩み寄れるほどイージーな状況なら、
わざわざIMFが貿易戦争悪化のシナリオを想定して予測を出したりはしないだろう、とも思います。
わざわざIMFが貿易戦争悪化のシナリオを想定して予測を出したりはしないだろう、とも思います。
下院で共和党が過半数を維持できたとしても対中の強硬姿勢は続くでしょうし、
下院で民主党に負けても、民主党も保護貿易色が強いので対中の強硬姿勢は続くでしょう。
下院で民主党に負けても、民主党も保護貿易色が強いので対中の強硬姿勢は続くでしょう。
・・・というわけで、少なくとも中間選挙が終わる火曜までは、見てるだけかな、
と思っています。いちばんありそうなポジティブサプライズは、実は下院で
共和党が勝てる見通しが急浮上、という場合でしょうか。
でも上昇しても月曜火曜は私は見ているだけと思います。
個人もそろそろブレグジットや2年前のトランプ選挙のときの大混乱を思い出すでしょうから、
新興市場においても月曜火曜は上値を追いづらい気がしています。
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