相場の難易度を高めるトランプのオウンゴール 【7/29-8/2 株価指数】
この2019年7月最終週は、ひょっとすると、経済史に記憶される週となるかもしれないですね。
・「予防的利下げ」という表現で、足元の米景気の堅調さにもかかわらず利下げを行ったのに、
株が失望売りされた。
景気が強いとみている論者は、トランプに屈したと非難し、
景気が弱いとみている論者は、もったいぶった利下げだと非難した。
・トランプの関税第4弾で、情報機器(スマホ、PC、ゲーム機)や衣服など、
中国依存度の高い輸入品に
10%の関税引き上げが予告され、さらに株が売り込まれた。
しかもトランプは「中国が態度を変えなければ25%に引き上げる可能性もある」と宣告、
これでリスクオフが再燃。
フーバー大統領時代の悪法といわれるスムート・ホーリー関税法を連想する人も
増えてきたようです。
高関税を誰が負担するのかについては、「中国が負担する」とトランプは
言っていますが、彼の主張は信用されていません。
「アメリカの消費者が負担することになる」というのがコンセンサスです。
しかも、このような引き上げで中国が慌てて態度を軟化させる可能性は「ない」という
のもおそらくコンセンサスでしょう。
そもそもトランプが関税を引き上げて自ら景気を冷やせば
冷やすほど再選から遠のくわけなので、中国からは
今回の引き上げがオウンゴールにしか見えていない可能性があります。
トランプは引き上げると宣言したら実行してきた人ですから、
おそらくそうすると思いますが、中国側が持久戦を決め込んだ
今回ばかりは、トランプの手詰まり感を
米国民もほかの国の人も意識し始める流れだと思います。
直感的には、来年の大統領選挙、トランプは本当に負けるのではないか、という気が
してきたのですが、どうなるでしょうね。
そんななかで、いまの株式市場にどう向き合うべきか?
はっきりいって、リバウンド取りに徹するしかないのですが、
いまのところ、日本の半導体株などが中途半端に値を保っていて、
まだ底打ち感がないなという印象です。
いったん6月頭の20400まで見に行かないと、
底打ちしない可能性も想定したほうがいいでしょう。
日銀が掟破りなくらいに買ってくれば別ですが。
中国の「トランプ敗北待ち」姿勢に気づかないほど、
アメリカ共和党も鈍くはないはずなので、
何か理由をつけて延期したりすれば、
思わぬリバウンドとなる可能性もなくはない。
このような政治交渉の駆け引きにつきあって、
結果として儲かればいいのですが、損するのはバカバカしいことではないでしょうか。
ショートもロングも簡単に勝てる気がしない、難易度の高い局面だと思っています。
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