部門別売買動向3/4-3/8:荒れる3月の序盤、海外投資家は株式を5689億売り

3/4-3/8
日経平均
前週末
3月1日 21602.69 -> 3月8日 21025.56
日付部門名225先物TOPIX先物日経400先物先物合計株式all
2019/3/8自己(日銀受注分を除く)▲ 36211975▲ 177▲ 18231137▲ 686
2019/3/8日銀????21062106
2019/3/8個人93815395517792735
2019/3/8海外投資家3957▲ 1463932587▲ 5689▲ 3102
2019/3/8信託銀行▲ 1060▲ 132884▲ 2304▲ 424▲ 2729
2019/3/8証券会社2020227698
2019/3/8投資信託▲ 6758571182▲ 269▲ 87
2019/3/8事業法人94▲ 0▲ 19314811574
2019/3/8その他法人等217▲ 12▲ 1204▲ 5199
2019/3/8生保・損保▲ 29▲ 330▲ 62▲ 101▲ 164
2019/3/8都銀・地銀等▲ 71▲ 30▲ 74▲ 148▲ 222
2019/3/8その他金融機関▲ 900▲ 98273

 

2019年通算
日付部門名225先物TOPIX先物日経400先物先物合計株式all
2019自己(日銀受注分を除く)▲ 5658▲ 520333▲ 108298562▲ 2266
2019日銀????70347034
2019個人▲ 1948331▲ 1914▲ 6918▲ 8832
2019海外投資家151275869320999▲ 154945506
2019信託銀行▲ 948▲ 271254▲ 36061657▲ 1949
2019証券会社▲ 104301▲ 736▲ 68
2019投資信託▲ 58351761▲ 90▲ 41641441▲ 2723
2019事業法人▲ 662▲ 1▲ 6573657300
2019その他法人等4▲ 10▲ 2▲ 8634626
2019生保・損保▲ 98▲ 260▲ 123▲ 1584▲ 1707
2019都銀・地銀等▲ 11011909▲ 1705▲ 1695
2019その他金融機関3112043▲ 111▲ 68
メジャーSQ週。
海外筋の売りは予想通りでしたが、
週半ばの先物利食いが中心と思いきや、
先物でなく株式を売ったという形になっており、
ちょっと意外感がありました。
信託銀行が先物を結構売っていたのも少し意外でした。
この週が軟調だった原因はこちらの動きにもあったかもしれません。
さて、この部門別売買動向は、取引所が
証券会社から数字を集計して発表しているわけですが、
その数字の性質について、
以前から、話題にしたほうがいいかなと
思っていたことがありまして。
SQ週の清算による先物残高の増減が
この統計には反映されないとされています。
されている、というか、取引所に問い合わせた
人がそういう回答を直接もらっています。
これ、知ってる人はどのくらい世間にいるんでしょうね。
え、そうなの?と僕は少し驚いたんですが、でも確かに、
ふだんいろいろ分析をしているなかで、
株式の数字に比べて先物の数字は
相場をそれほど強く示さないなと思う部分が
あったので、そういう事情かと納得いったのですが。
ということは、海外投資家の先物の買い持ちが2587億この週に増えた、と
単純に考えてはいけないということです。ロングしていた先物の
大半はこのメジャーSQで清算された可能性がありますから。
SQ清算以外の増減は把握できているはずなので、
ふだんの主体別の傾向をつかむうえでは役立つ統計ですが、
今回はメジャーSQ週ということで、先物の数字の解釈は
難しいのです。

 

 

ということで、ときどき
解釈が難しいこの統計ですが、
それでも傾向把握には役立ちます。
3月(締め日ベース)の月次の数字を
出して、主体別に数字を眺めてみました。
期間は14〜18年です。
なお、「自己」には公式の集計通りに日銀からの発注分を含みます。
3月の月次取引高(先物+株式)の平均値(14〜18年)
主体
3月の買い(先物+株)
自己7657
個人2961
信託銀行2366
投資信託1702
事業法人700
その他金融機関314
その他法人等92
証券会社46
都銀・地銀等▲ 667
生保・損保▲ 686
海外投資家▲ 14583
3月の月次取引高(株式のみ)の平均値(14〜18年)
主体3月の買い(株)
自己6160
個人2669
事業法人690
その他金融機関312
その他法人等103
証券会社26
信託銀行▲ 37
投資信託▲ 223
都銀・地銀等▲ 341
生保・損保▲ 779
海外投資家▲ 8723

 

これを見れば明らかなのですが、3月は海外投資家の売りがもともと
目立つ時期ではあります。
海外投資家の3月株式取引の年次推移はこうなります
2014▲ 5807
20155306
2016▲ 19509
2017▲ 10144
2018▲ 13460

 

これをみると、もう3月は株を買いたくなくなりますよね。
実際、過去3年の3月相場の日経平均のチャートを
見ると、あまり強気になれる感じではありません。
また、上の表でわかるように、保険会社や銀行なども、持合い解消か
決算対策かわかりませんが、3月に株式を売ってくる傾向が見られます。
それをなんとかここ数年受け止めてきたのが、証券自己と日銀と個人です。
3月の買い主体の筆頭が自己となっているのは、
半分くらいは日銀ETF買いだと考えられます。
今年は6兆円の予算があるわけですから、3月に5000億くらいは
日銀分があってもおかしくはありません。
ちなみに18年は5800億ほど日銀が3月に買いました(統計の
締め日ベースの月次なので3/1-3/31の集計結果は少し違うかもしれません)。
個人は優待取りですかね。
ただ、今年の場合、この構図通りにならないかもしれないと思うのは、
昨年の秋、海外投資家は株式を売ってばかりで全然買っていません。
例年だと「9〜10月買い、3~4月売り」というアノマリーが上の傾向を
後押しするわけですが、いまの海外投資家に、
利確売りするような保有株式が例年ほどあるとは思えません。
とはいえ、今年に入っても、引き続き株式を全然買わず、
先物しか買い建しない傾向を見ていると、何かきっかけがあれば、
海外筋が売り込んでくるという恐怖感は拭い難いものがあります。
一方で、個人は昨年後半やられまくったせいか、今年に入って
売り筆頭主体になっているくらいですから、3月に例年ほど買い支えるかどうか
これも疑う余地ありです。そのかわりに事業法人の自己株式取得が
頑張ってくれれば、というところでしょうか。

 

結局、上か下か、これだけで予測は立ちませんが、
ここ数年、3月は荒れ気味、ということを
しっかり頭に入れておく必要はあるでしょう。

 

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